コラム

2020.06.22

下剤内服なし大腸カメラについて

会社勤めの方にとって、春は健康診断の季節でもあります。
大腸内視鏡検査を受けられるご予定のある方へ、今日は少し気持ちが楽になるお話ができればと思います。

大腸内視鏡検査と聞くとやはり「苦手」「辛い」「できれば受けたくない」とお答えになられる方は大勢いらっしゃいます。その大きな理由のひとつに検査前の2リットルの下剤が挙げられます。最後の500ミリリットルほどを残して苦しい表情をされる患者さんはとても多くいらっしゃると思います。しかしながら、腸内をきれいに洗い流し、精度高く内部を観察するためには必要な量なのです。
以前に比べると下剤自体も大変飲みやすく改良されました。例えば梅味やスポーツ飲料味はさっぱりと飲みやすいと患者さんからもご好評いただいております。錠剤タイプの下剤をお選びいただく場合にも、2リットルのお水は必ず飲むこととなります。量の多さや味があわず途中で吐いてしまうようなことがあれば、せっかく検査にお越しになられても中止せざるを得なくなります。

【朗報】
●下剤が苦手で検査が受けられなかった経験がある方
●2リットルという量を飲むことが難しい方
●下剤を口から飲むことへの抵抗感が強い方
●過去の辛い経験がトラウマとなって長く検査を受けられていない方
●できるだけ苦しい思いをしたくない方など
患者さんの切実なお悩みの声を受け、まだ認知度は低いですが「下剤服用なし」といった方法も当院ではお選びいただけます。検査後の患者さんのアンケートを見ても、ほとんどの方から高い評価をいただいており、次回もこちらの方法をお選びいただく方は大変多いです。今まで下剤のせいで検査を諦めていた方や辛い我慢をして受けられていた方だけでなく、この機会に胃と大腸の同時検査を受けてみたいといった嬉しいお声も増えています。

具体的には胃カメラを用いて下剤を直接的に胃内部に注入するという方法になります。結果的に胃カメラを使用することで、胃癌検査と大腸検査を同時に行いたいという方にとってはむしろ好都合の方法とも言えます。

【検査当日の流れ】
午前中:胃カメラで下剤を注入する
その後2~3時間くらいの間に排便
午後:大腸カメラで検査を行う
といった流れが基本になります。

最初から病院内にいることで長く時間を感じることもあるかと思いますが、通常の方法でも検査予定時間の4時間前から下剤を服用していただくことになりますので、トータル時間としてはむしろ短くなるというメリットもあります。

※※注意※※
・腸閉塞の方、腸管の狭窄がある方などは下剤の通過がしにくいため利用できないことがあります。検査の事前診察時に医師にご相談ください。
・単に下剤を入れる目的だけでの胃カメラ使用の場合には自費診療扱いとなります。

今まで苦手意識だけで検査を受けられなかった方へ、少しでも不安を拭い去ることができればと思い、今回「下剤内服なし大腸カメラ」についてご紹介させていただきました。当院では他にもさまざまな苦痛の少ない検査方法を取り扱っております。ぜひお気軽にご相談いただければと思います。

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